光と影を見に行く


大阪の住吉大社のすぐそばに佇む、間口はわずか3.6m、奥行きは12.6mの

極小住宅「住吉の長屋」


建築界に衝撃を与えた安藤忠雄さんの出世作を見てきました。



ファサードには入口の開口があるのみ。


内部には中庭があって、雨の日は傘をささないと部屋を行き来できない

不便極まりないこの家は、住むということ、自然と共生することを人に

問いかけていて、いまも世界中から見学者が訪れるそうです。



一度は見てみたいと思いつつ30年近くが過ぎてしまいました・・


ようやく訪れては見たものの、個人住宅なので肝心の内部を見ることは

当然できません。



道路から入口を睨みつつ、インターフォンを押したい衝動をこらえたのでした。



フラストレーションがたまったついでに、よしどうせなら本丸も見てこよう!


向かったのは梅田駅にほど近い場所にあるこの建物。



思っていたより小振りなんだな・・と言うのが第一印象でした。


安藤忠雄建築研究所。


ここで数々の安藤建築が生み出されているのか・・・



安藤忠雄さんの席は入口を入ってスグの場所にあるのは有名です。


このルーバー状の扉をガラガラ開けると安藤さんがいるのかも

しれないと思うと、ちょっと緊張しちゃったのでした。



こちらは事務所建築。


住吉の長屋と同様に、当然中を見せて欲しいなんてお願いできる

ワケはありません。



自らフラストレーションを倍増させた数週間後、今度は内部を見て来るぞと

芦屋に向かったのでした。



芦屋駅からバスで20分ほど。


六甲山の急な山道を登った先に、ファッションデザイナー・コシノヒロコさんの

自邸が建っています。


安藤さんの初期の代表作であるこの住宅は、今はギャラリーとして使われているので

予約すれば見学が可能になっています。



外観だけを見てトボトボ帰った2回の鬱憤をはらすべく、舐める様に内部を

堪能してきました。



コシノ邸はアメブロでも記事にしましたが、そちらはカラー写真をUP。



でも安藤建築はモノクロがとてもよく合うと思うのです。



コンクリートがグレートーンなのも理由のひとつですが、最も大きいのは

安藤建築の光と影がモノクロ写真の方がより強く感じられるから。



窓の向こうにある緑の景色でさえも、水墨画の様に写真に溶けこんでくれます。



ヨーロッパでは医者、弁護士、建築家は3大職能として尊敬の対象となっています。



その理由は


医者は人間の命を守り、弁護士は人間の権利を守り、建築家は人間の生活を守るから



安藤忠雄さんんの住宅建築は「生活を守る」と言うよりは「生活と闘う」ことを

強いるものが多いようですが・・・



それでも、この芸術作品のなかで暮らしてみたい誘惑にかられたりします。



いやぁ・・本当に素晴らしい



安藤忠雄さん、新国立競技場問題で男を下げましたが



作品はやっぱり一級品ですね

2コメント

  • 1000 / 1000

  • ばた

    2016.07.07 12:53

    @ゆきゆきゆきゆきさんへ コメントありがとうございます。 モノクロには被写体の本質をグッと引き寄せる力を感じます。 建築写真撮ってると、もっといいカメラと レンズが欲しくなるんですよねぇ。
  • ゆきゆき

    2016.07.07 10:08

    こんにちは! モノクロな世界もいいですね~ 素敵です!!